2017年1月26日木曜日

バナナ最高!


いつもお世話になっているのに、よく考えてみればなにも知らないバナナ。
そんなバナナ!ということで、調べてみました。
さぁさ、寄ってらっしゃい、見てらっしゃい!




バナナはいつ日本にやって来た!?

地球でバナナが栽培されるようになったのは、紀元前5000年ごろ、パプアニューギニアあたりと言われています。2002年の現地調査で、バナナが存在していたと裏付ける痕跡が発見されました。また、東南アジアでも初期栽培が行われていたことを示す証拠が見つかっています。紀元前5000年といえば、古代エジプトが栄えていた頃。エジプトの王様は生のバナナはムリにしても干しバナナぐらい食べていたかもしれませんね。しかし、そう考えると、生のバナナをむしゃむしゃ食べることができる現代人って、確実にエジプトの王様以上の暮らしをしていますね、きっと。
 時は下って16世紀、沖縄でバナナが栽培されるようになったということです。


昔は、貴重すぎて病気した時しか食べられなかった

バナナが日本に初めて輸入されたのは1903年。台湾から神戸港にやってきた台湾バナナを保管したのが株式会社上組。以来、神戸港から荷揚げされるバナナの輸入取り扱いは上組が請け負うようになりました。
 戦時中、台湾バナナは米の生産を優先するために減少し、日本の果物屋さんから姿を消してしまいます。しかし、1950年に日本と台湾で通商協定が結ばれ、バナナは再び輸入されるようになりました。当時のバナナは1kg1000円と超高級食品でした。先生によれば、当時、バナナは病気で寝込んだ時にしか食べることができなかったそうです。
 その後、1961年に輸入船の船員からコレラ菌が検出され、一時、台湾のバナナは輸入禁止になるという災難も乗り越えて、1963年に日本政府がバナナの輸入を自由化し、バナナは一般化していきました。
 現在、日本でもバナナの栽培は行われていますがほとんどが輸入されています。2005年の輸入先を見ると、フィリピンが88.5%・エクアドルが8.5%・台湾が1.4%となっています。 

朝バナナ?夜バナナ?

朝食にバナナを1本か2本食べ、水を飲むことでバナナに含まれる豊富な酵素作用により、体内に溜め込んだ毒素をかき集め排出されるダイエット方法をバナナダイエットと言います。また、昼食と夕食は通常通り食べてよいという非常に簡単なので2008年にブームになり、果物屋さんやスーパーの店頭からバナナが消えたそうです(売れすぎて)。
 このダイエットブームはいくつかの理由ですぐに終わりを迎えてしまいます。理由の一つ目は、生バナナを食べなければいけないことです。焼きバナナや冷凍バナナは酵素が壊れてしまうため食べても意味がありません。二つ目は、カフェインと一緒に摂取してはいけないことです。カフェインは、ビタミンやミネラルを壊し、酵素の働きを低下させてしまいます。3つ目は、アレンジができないためバナナの味に飽きてしまいました。その結果、バナナダイエットブームはわずか数ヶ月で終わってしまいました。

 最近、バナナダイエットが再び注目されています。今度は夜にバナナを食べる方法です。夕食の約30分前にバナナ2本を食べてその後にお湯や緑茶を飲むというダイエット方法です(※夕食は普通に食べる。ただし、満腹に感じたところで止める)。バナナはカロリーが低い一方で、満腹感の得やすい食べ物で、ダイエットをサポートする栄養素も多く含まれているため、注目されています。このダイエット方法のポイントは「夜」であると言われています。

 中程度のバナナは、皮をむくと約100グラム。86カロリーで食物繊維も1.1グラムと比較的豊富です。昼に菓子パンを1個食べるなら、バナナ4本のほうが同じカロリーでも脂肪が少なく身体にはいいそうです。

昔バナナ・今バナナ

バナナの歴史を調べていくうちに現在と昔のバナナでは品種が違うことが分かりました。1960年代以前に食べられていたバナナは、グロ・ミシェルという種類のバナナでした。特徴は今よりももっと大きくて、甘く、皮が厚めであったと言われています。たいへん普及したグロ・ミシェルですが、パナマ病という殺菌剤が効かない病原菌に襲われ絶滅してしまいました。そして、現在では一般となっているバナナ、キャベンディッシュに総入れ替えが行われました。キャベンディッシュは種なしで茎を株分けして栽培することが唯一の生産方法です。また、キャベンディッシュはパナマ病にも強いと言われています。しかし、最近キャベンディッシュを襲う新型のパナマ病が現れました。殺菌をすることでパナマを死滅させることは可能です。しかし、欧米では消費されるキャベンディッシュは影響を受けやすく、広がりつつあります。このことから、科学者のなかにはキャベンディッシュが絶滅してしまうのではないかと心配する声もあるそうです。

バナナの食べごろ

見た目がきれいなバナナがおいしいと思っているひとが多いですが、いちばんおいしいのは付け根まで黄色になり、茶色い斑点がポツポツ全体に出たころが熟れて甘みが加わるからいちばんおいしい。またバナナは呼吸しているので、袋から出して冬なら新聞紙にくるんで発泡スチロールの箱に、夏は涼しい場所で保管するといいそうです。一度低温にさらされると甘みがのらなくなるので決して冷蔵庫に入れてはいけなそうです。
 

参考
バナナ大学
http://www.banana.co.jp/
「バナナの世界史」著者:ダン・コッペル 訳者:黒川由美 組版:アーティザンカンパニー株式会社
「バナナ入門」著作者:中村武久 出版社:丸善ライブラリー021
「バナナと日本人」著者:鶴見良行 出版社:岩波新書(黄版)199
「元気のひけつ 冷蔵庫での保存は厳禁 バナナの食べ頃と保存法 朝日新聞2011年2月19日 朝刊 

取材:森下 駿