2017年1月10日火曜日

北野界隈「安藤建築」見て歩き 

「ROSE GARDEN」兵庫県神戸市中央区山本通2丁目8−15


 安藤忠雄、といえばその昔、「住吉の長屋」というスタイリッシュで我慢を強いられるコンクリート打ちっ放しの住宅建築で耳目を集め、ついには世界のAndoと呼ばれている現代建築の大家です。代表的な作品を挙げると、東京都渋谷区の表参道ヒルズや香川県直島町の地中美術館などがあります。また、現在は東京オリンピックのコンペ審査委員長を務めています。実は彼が手掛けた建築が神戸には多数存在しています。その作品を3つ紹介していきたいと思います。

「ROSE GARDEN」 

異人館の建ち並ぶ北野地区には安藤忠雄の作品が集まっています。「ローズガーデン」はそのうちのひとつで、1977年、北野町に建てられた初めての安藤建築です。
 コンクリート打ちっ放し建築で知られる安藤忠雄の作品には珍しいレンガタイルが用いられています。 周りの外観に合うようにレンガタイルを使用したそうです。しかし、裏手に回って見てみると、コンクリート打ちっ放しの壁が。周りの外観に合わせながらも独自の世界観を表現しています。また、レンガの外壁を東西方向にずらすことによって、開口部や通風を確保しています。これは安藤忠雄作品の特徴のひとつである「自然と建築物との融合」が表現されています。
 


「WALL AVENUE」  

「WALL AVENUE」 神戸市中央区山本通1-7-17


この建築物はローズガーデンとは異なり、安藤建築の特徴である「コンクリート打ちっ放し」の工法を取り入れたいかにも安藤忠雄という作品です。光の差し込み方を変えるため工夫なのでしょうか、壁を斜めに組み合わせて空間に変化がつけられています。これも自然との融合だと思います。



 

「神戸コロッケ(元町店)」

「神戸コロッケ(元町店)」兵庫県神戸市中央区元町通2丁目4−1


南京町の一角にある「神戸コロッケ(元町店)」です。この建築は安藤建築で最小のもので、わずか約7坪。鉄骨平屋で、単管を組立て、踏板を壁代わりに横に張付けた足場のようなシンプルなデザインとなっています。壁の側面に三角の窓があり、非常にオシャレです。この建築物はコンクリートではなく金属の素材を活かした外観となっています。
 この他にも安藤忠雄作品は神戸に多数存在します。一見して安藤忠雄作品と分からない建築物もありますが、どれも安藤建築ならではの素晴らしい建物です。ぜひ見に行ってみて下さい。

兵庫県にある安藤忠雄が手がけた公共建築

兵庫県立美術館(兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1丁目1番1号)
淡路夢舞台(兵庫県淡路市夢舞台2番地)
兵庫県木の殿堂(兵庫県美方郡香美町村岡区和池951)
大手前大学アートセンター(兵庫県西宮市御茶家所町6-42)
星の子館(兵庫県姫路市青山1470番地24)
兵庫県立こどもの館(兵庫県姫路市太市中915-49)
姫路文学館(兵庫県姫路市山野井町84番地)
兵庫県立看護大学(兵庫県明石市北王子町13-71)

参考文献

住宅の射程 TOTO出版
フォートラベルhttp://i.4travel.jp/travelogue/show/10544602
日経アーキテクチュアhttp://uratti.web.fc2.com/architecture/ando/ko
        
              
取材 西 美佑