2015年8月7日金曜日

第1回 神戸港ラテンアメリカン・カーニバル レポート vol.1

普段は見ることの出来ない特別な舞台裏へ「コンチェルトバックヤードツアー」の巻

 神戸随一のショッピングモールumie、そのモザイクの北東に位置する高浜岸壁にて81日、2日の2daysに渡って神戸開港150周年プレイベントである第一回神戸港ラテンアメリカン・カーニバルが開催されました。私たちみなと神戸広報応援団も、初日である81日に参加してきましたので、その様子を3部に分けてお伝えしたいと思います。




「コンチェルト」って?

まず私たちが向かったのは、コンチェルトバックヤードツアー。「コンチェルト」は、五感でクルージングが楽しめる遊覧船で、グルメと音楽を味わいながら、六甲の山並みや明石海峡大橋、海に浮かぶ神戸空港など、神戸ならではの贅沢な景色を満喫できます。神戸港を回遊する船はいくつかありますが、食事のできる船は、ルミナス神戸2とコンチェルトだけです。
バックヤードツアーでは、そんなコンチェルトの普段は入ることのできない操舵室や機関室を見学できるということで、たくさんの親子連れが参加しました。


まずはじめに、コンチェルトの前で記念撮影。みなさんとってもいい顔です。
撮影の後、さっそくコンチェルトに乗り込み、見学に出発です。参加者は2グループに分かれて、機関室と操舵室を交互に見学させて頂きました。


遊覧船の舞台裏


私たちが最初に向かったのは、機関室。客室などのある階のさらに下部にあり、発電機などの大きな音が響いています。また、天井も低くとても暑い!なんと室温は50度にも達するとか。華麗さを誇る白鳥も水面下では一生懸命足こぎしていますがそんな感じです。機関室にはエンジンが2台、発電機が3台あり、エンジンをかけて船を動かす設備だけでなく、船内で使う電気の発電などがあり、船が機能する全般の事をここで働くエンジニアの方が担っていらっしゃいます。
また、子どもたちの中から二人が、実際にエンジンをかける作業を体験させてもらいました。しっかり軍手をはめてスイッチをオン。すると大きな音と共にモーターが回り始めました!エンジンって案外簡単に起動するものなんだなあと驚き。


その後は再度上に上がって操舵室へ。そこには映画で見るような機材がたくさん。これを使いこなす航海士さんは本当にすごいです。ちなみに、操舵室はブリッジとも呼ばれています。その由来は、かつて船の上に本当に橋がかけられていた時代があったからとのこと。帆船時代には船を動かす舵輪は船尾部分にあり、操船は船尾甲板で行われていましたが、その後、蒸気船の時代とともに船体の中央部に大きな機関室が造られ、船の両側に大きな外輪を設けた外輪船が出現しました。ところが、船尾の舵輪の位置からでは船首方向の海面が見えないなど船首の見通しが極めて悪く、操船するのに支障が出てきたので、外輪の上に見張り台が設けられ、後、右舷側と左舷側の行き来ができるように両舷の外輪カバー上をつなぐ橋渡しのような構造物を作り上げました。これが「船にかける橋」ブリッジの原形なのだとか。覚えておきましょう。

 地図の海版である海図や、電波を出して跳ね返ってきた物標を映すレーダーなど、珍しい機材に参加者は興味津々。そんな私たちに船長さんがとても丁寧にお話を聞かせてくださいました。
 コンチェルトに使われているプロペラは、可変ピッチプロペラというもので、羽根の角度(ピッチ)を自在に変えることができるスクリュープロペラです。ピッチを変えることにより一定の回転方向・回転数のまま任意の前後方向の推進力を得ることができるというスグレもの。また、船首に取り付けられているスラスターというプロペラで、舵とスクリューだけでは難しい横移動も可能なのだとか!このような複雑な操作を、港の中では4人、沖では2人で行っているというので、さらに驚きです。



出航の合図

 見学の後には、神戸港の遊覧に出発!その前にサンデッキに出て、出発の合図であるドラを鳴らす体験もしました。私もちゃっかり鳴らさせて頂いてます。なぜ出発の合図としてドラを鳴らすのかというと、新幹線や飛行機の普及した今とは違い昔は船で何日もかけて旅をすることもあったため、個別の客室が多くある船では出航までの間、乗客の個室に見送りの人も一緒に入って別れを惜しんだそう。そこで、出航の前、見送りの人は船から降りてくださいという意味を込めて、客室の前をドラを鳴らしながら知らせに回ったのが起源なんだとか。これも覚えておきましょう。


海外の注目スポット「神戸港」

 わいわいと楽しく順番にドラを鳴らしていると、デッキに突如スーツをまとったガタイのいい黒人の方や、なんだか美人やイケメンの有名人のような雰囲気を纏った方々がデッキに。彼ら彼女らを追いかけるように撮影スタッフが。どうやら上海のウェブチャンネルの撮影だったようです。残念ながら写真はNGという事で撮ることができませんでしたが、神戸港がいかに海外からも注目されているスポットなのかということを実感する体験でした。

 神戸港の遊覧の様子は遊覧編でお伝えいたします!

取材:佐藤千花