2017年2月6日月曜日

フォトドキュメント「上組とバナナ」



 今回、取材のきっかけとなったのは、株式会社上組が、神戸開港150年記念事業パートナーで、この事業のために協賛・支援をしてくださっているからです。
 そして、私たちは「みなと神戸広報応援団 」として、神戸の魅力を発進する一員として日々活動しています。今回はその一環として取材をさせていただきました。


「三宮駅」からポートライナーに乗って「南公園駅」下車。東方向へ約10分歩くと上組物流センターに到着です!

株式会社上組と上組ポートアイランド物流センター

株式会社上組は、兵庫県神戸市中央区に本社を置く、港湾運送業・倉庫業・重量物運搬などを仕事とする大きな港にはなくてはならない港湾運送最大手の会社です。 1867年創業ですから、まさに、神戸港開港とともに誕生した会社です。神戸港からスタートした上組は今では全国の主要港湾で活躍しています。
 上組ポートアイランド物流センターは、「上組デザイン物流」のモデル施設です。バナナなどの青果物を最適の環境に保つことのできる最新鋭の空調設備を装備した燻蒸・低温倉庫に加え、チルドから常温までのきめ細やかな温度管理の必要な食糧・食品を取り扱う多機能倉庫です。


 

1903年、バナナと上組との運命の出会い

 バナナが日本に初めて輸入されたのは1903年。はじめて神戸港にやってきた台湾バナナを保管したのが上組。それ以来、上組とバナナは切っても切れない縁なのです。ということで、バナナの倉庫の紹介です。みんなでヘルメットを被って出発です!

神戸に陸揚げされるバナナの95%以上は上組  

この写真に載っているダンボールすべてがバナナです。入ったとたんバナナの甘い香りが!

バナナの倉庫の温度は13.5° 

 低すぎると「風邪ひき」と言って表皮が変色します。逆に高すぎると追熟してしまい色が変わってしまい商品になりません。バナナは13.5°という温度が大切なのです!いかに13.5°を保ちながら出荷まで鮮度を落とさないようにすることが難しいのです。バナナは温度が命!

みどりいろしたバナナ


 他の記事にも書いてありますが、輸入されるときは緑のバナナなのです。なぜ緑なのか。それには、日本にいないミバエという害虫がからんでいます。ミバエはものすごく繁殖力がありバナナをダメにしてしまいます。黄色のバナナは柔らかい、だからもしかするとミバエがそこに卵を生んでいる可能性があるのです。しかし、緑色のバナナは堅いから大丈夫。だから原産国から船積みされるバナナはすべて緑色。黄色いバナナの輸入は禁じられているのです。

倉庫も通路も低温が保たれるコールドチェーン

これも他の記事で触れられていますが、大事なところなのでもう一度。
コールドチェーンとは、入荷から出荷まで同じ温度で品質を管理する仕組みのことです。例えばバナナのように、同じ温度を保ちつつ、青果物を生産者から消費者まで一貫して流通させる仕組みです。上組ポートアイランド物流センターでは、加工センターと倉庫を繋ぐ通路もコールドチェーンの一部。室内も通路も一定の温度で保たれているのです。

バナナに付いた虫を駆除

 海外から輸入されたバナナなどの青果物を検疫し、有害な虫(先ほどのミバエなど)が見つかった場合にガス消毒をするための倉庫です。品質が徹底されています。




 見学させていただき、青果物ひとつひとつが大切に扱われていることがよく分かりました。ふだん何気なく食べているバナナですが、私たちのもとへ届くまでの輸入から出荷までの道のりが長く深いことが分かりました。また、品質管理の徹底さに驚きました。
上組ポートアイランド総合物流センターのみなさん、ありがとうございました。


株式会社 上組 ホームページ
https://www.kamigumi.co.jp/
取材協力:上組ポートアイランド総合物流センター

取材:仮谷智乃