2016年12月30日金曜日

愛情いっぱい!株式会社ファミリア

朝ドラ「べっぴんさん」のモデルになった子供服メーカー「ファミリア」。モダンで上品、そして安くないところが、さすが神戸!ということでファミリアについて調べました。
 
元町商店街の中にあるファミリア神戸元町本店

 株式会社ファミリア(Familiar Limited.)は、兵庫県神戸市中央区に本社を置く、子供服を中心とするアパレルメーカーです。創業から一貫して子供服・子供向け用品・ベビー用品の取り扱いを専業としています。全国各地の百貨店内にショールームを展開しており、ちょっと高いけど質のいい子供服メーカーとして知る人ぞ知る存在でした。

ファミリアの知られざる歴史
 ファミリアが創業されたのは1948年12月、戦後の混乱期です。「すべては子どものために」という強い信念のもとに坂野惇子をはじめとする、4人の女性の創業者によって創立されました。戦後の混乱の中で、庶民の生活にはゆとりなどなく、誰もが今日を生きるのに必死だったので、この創業者4人も収入を得るために働くことを決意しました。
 そして「モトヤ靴店」の店舗内に、2台の陳列ケースを並べただけの小さなお店、「ベビーショップ・モトヤ」という名前でスタートしました。場所は神戸の中心地、トアロードの角からセンター街に入ってすぐのお店でした。

 ファミリアの誕生
 忙しくも充実した生活を送っていた4人の女性たちは、周囲の指導を受けながら、商売の基本を会得していきました。1年後には独立店舗にステップアップし、その後も様々な好条件が重なり、1950年4月12日、「ベビーショップ・モトヤ」は発展的に解消、「株式会社ファミリア」が南隣の角地にある物件で誕生しました。“全国のお母さんたちから本当に愛されるベビー用品のパイオニアになろう”と、フランス語で家族という意味からファミリアという社名に決まりました。

こだわりだらけのものづくり
 本当にいいものだけを作りたい、お母さんの気持ちになってものづくりをする、という創業者たちの精神は今もなお受け継がれています。
ファミリアの原点でもある肌着一つをとってもたくさんの工夫やこだわりが詰まっているので、HPにも乗っているものを紹介します。
 
肌着の生地  
横方向の伸縮性があり、肌に優しく洗濯に強い生地を採用しているので繰り返し洗濯をしても型崩れせず、安心です。

ゆっくり編みたてる肌着
スピード生産ではなく小さい編み機でゆっくり編みたてられ、縫い目のない一枚の生地で仕上げることが出来るので、脇に縫い目があたらず、あかちゃんの肌に安全です。ゆっくり編み上げることで、やわらかで肌触りの良い生地ができます。

ファミリアクオリティーを守る
 ファミリアでは編み上げるのに、実際に市販されているものの約6倍時間がかかるといわれています。生地の作り方や、ひとつひとつ手作業で行う縫製やプリントなど、少しアナログな生産方法にも思われますが、時代に逆らってでも変わらないことを吟味し、今でもファミリアクオリティーを守っています。

ファミリアの愛情を受けて
 今回調べてみるといろんな物語を経て創業された会社であるということがわかりました。また、たくさんの人に今もなお愛されているのには、徹底したものづくりの精神や時代にとらわれない経営方針など、多くの理由がありますが、なにより子どもへの愛情が最も大切にされているからこそなのだと知りました。 

参考 
https://www.familiar.co.jp
ダイヤモンド社 上品な上質「ファミリアの考えるものづくり」
取材:小松原 愛理