2015年12月25日金曜日

世界初!球状船首ブリッジコンテナ船 「なとり」来航! 2015/12/14

 世界初の球状船首ブリッジコンテナ船“なとり”が、神戸港に初来航するとのことで、神戸ポートターミナルへ行きました!





ポートライナーでポートターミナル駅に降りると、目の前にポートターミナル!
初めて訪れましたけど、トイレもしっかり整備されており、清潔感満点でした。


受付で名刺を渡して、まずは10時からの1時間船内見学!
港に出てみると、どでかい船が!


 あまりの大きさにびっくり仰天!
他の見学に来られていた方々も、皆、スマホやカメラで写真を撮っていました。
コンテナ船だとしか聴いていなかったので、最初から度肝抜かれましたね!


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540TEU型内向コンテナ船「なとり」
全長:約136.20m
幅:21.00m
速力:(試運転) 17.71ノット[約32.8km/h]
(貨物満載) 約16ノット[約29.6km/h]
深さ:9.20m
総トン数:7390t
載貨重量:6953t
進水日:2015/08/26
コンテナ積載数:548TEU [1TEU=6.1 m×2.4 m×2.6 m=39 m3のコンテナ1つ]
特徴:コンテナ船では世界初の球状船首ブリッジを採用(球状船首ブリッジ船は世界3隻存在)そこに操縦室、居住区をまとめることにより、積載数を増加。また、球状による風圧抵抗を30%軽減。その他、プロペラの効率アップなどにより、約9.5%の省エネによる環境問題への対策。今後の冷凍コンテナの需要を見込み、冷凍コンテナを100個積載することが可能となっている。

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船内に突撃!

甲板を歩き、巨大なコンテナを横目に、急斜面の階段を踏みしめる度に、「カーン カーン」と鉄板が鳴るのが、たまらなく気持ちいい。日ごろ滅多に乗れない船の中を歩いている実感が沸々と湧きました。
 そんな中をズンズンと進むと、船首に到着!まずは操縦室内を見学しました。自分の以前の想像では、アナログなメーターが立ち並び、大量のボタンと、中央にハンドルがあるものだと思っていましたが、中に入ってビックリ!




デジタルのメーターが上部にあり、操縦席はタッチパネル式のデジタル機器がわんさか!
ハンドルも小型化されており、スマートな操縦室だなぁというのが素直な印象でした。
 もちろんアナログでのメーターやスイッチも多くありました。
最前にアナログの羅針盤があり、何だか今までの航海そのものの歴史に触れたような気分にもなりました。


続いて、船員の方の居住区も見学。
 船長室を見ると、思っていたより広々とした空間!
(写真で伝わりずらいですね…ごめんなさい)


 続いて船員さんの部屋。船の中なのに、ゆとりのある空間でした。
 

しかし一番驚いたのは食堂でした!
なんと、冷蔵庫に電子レンジまで完備。
大型テレビまであり、ゆっくりと食事を楽しめる空間が用意されていました。




 山のようなレトルト食品しかない---みたいなイメージを描いていました。
しかし、想像以上に快適そう。
長時間の滞在でも過ごしやすいだろうなと感じました。



甲板を探検

 時間があったので、甲板をもう一度散策しました!
ネイビー色の大きな鉄骨に、「02」って番号が記されてる。
気分はもう“新世紀エヴァンゲリオン”。


下からコンテナを見れば、見上げるほどの高さ!


改めてこの船がいかに巨大なのかを再認識させられます。

その中の冷凍コンテナ!
今やコンテナそのものが温度管理をしてくれる時代なんですね。
映画ジュラシックパークでこんなコンテナをみたような…



そんな中チラチラと見かけた、サメのマークの「海コン便」と書かれたコンテナ



これはこの船の運航会社である井本商運(株)がプロデュースするコンテナ。陸運だけでなく、海運による輸送をもっと活発にしたいという願いから誕生したということです。
サメのマークがチャーミングですね。

ここで、見学時間は終了!船を下りてしまうと、少し名残惜しかったです…


 今回のコンテナ船“なとり”の運航を行う井本商運株式会社の社長である井本隆之さんにお話を伺うと、

「“なとり”や“HANASHISU”*のような大型船での輸送で大都市同士の流通、小型の船での全国の港との流通、両方を今後も支えに事業を行いたい。やはり神戸は日本一の岸壁や岬を誇る港を持っている。国内海運を神戸からもコンテナの利用者が増え、今後の国内での流通がより活発化することを願う」

とおっしゃられていました。

*井本商運が保有するもう一隻の大型コンテナ船

旅立つ「なとり」

なとりが出港するのを、3階から見送ることに。


ブォーと大きな汽笛を鳴らしながらゆっくりと港を離れていく“なとり”。
 


「神戸は海運が盛ん」ということをこの取材を通し改めて感じました。しかし、残念ながら、神戸のひとたちは実感としてそれを常日頃感じているひとはそう多くはないと思います。例えば今回のような海上輸送を担う船のように、神戸港で活躍するいろんな船舶
が日々神戸の港で活躍する姿を、子供や学生、社会人まで広く親しむ機会がもっとふえればいいと思いました。そういう機会を通じて、神戸の人々が「海運を通じて日本を支える神戸」を再認識し、港まち神戸のアイデンティティを活かして栄えていってほしいなぁと感じました。

取材:西村成也