2015年9月12日土曜日

神戸街中探訪シリーズ  その1「JAZZBARグッドマン」(2015/9/4)

神戸街中探訪シリーズ

JAZZBARグッドマン

〒650-0012  神戸市中央区北長狭通1丁目9

今まではイベントなどの“非日常”への訪問がほとんどだったのです…が、
もっと色んな視点から神戸の街を発信しよう!ということで、街に飛び出して!“日常”の神戸を紹介していこうと思います!


 その一回目としてご紹介するのは、JAZZBARグッドマン!三宮駅の近く生田通り沿いの東急ハンズのすぐ近く、飲食ビルが林立する一角に立つコーストフロムビル。その5階にある。1976年から約40年続く老舗。 


生田通りを三ノ宮駅方面から北に。カラオケ店や居酒屋が軒を連ねるビル街に看板が見える。




神戸JAZZの歴史!
 では、どんなお店なのか、という前に、少し神戸のJAZZの歴史を学びましょう!

 神戸は、わが国最初のジャズバンド「井田一郎とラッフィング・スターズ」が誕生。大正12年(1923年)4月にプロのジャズバンドによりジャズが最初に演奏されました。それが神戸が「日本のジャズ発祥の地」といわれる所以です。
 その後、昭和30年から関西学院大や甲南大を中心に、ジャズ愛好家達によるアマチュアバンドが多く結成され、昭和56年には「インターナショナル・ジャズ・フェスティバル」が開催されました。そして、その翌年「神戸ジャズストリート」がスタート。ニューオリンズジャズのパレードを皮切りに、教会や学校施設など街中の建物でいろんなバンドによる演奏が行われ、鑑賞者はおめあてのバンドめがけてあちこちに移動するというイベントの運営方法は当時画期的。以降、全国各地で行われるようになったジャズ・イベントのモデルにもなりました。こういうイベントが成立するのはやっぱり神戸ならでは。ジャズを愛し親しむ神戸の人たちに支えられ、現在も、「JAPAN STUDENT JAZZ FESTIVAL」「神戸ジャズ物語」などの様々なライブやコンサート、ストリートライブが行われ、多くの人でにぎわいます。




お店に突入だ!

重々しい扉を開けると、生田通りの喧騒とは打って変わって、夕暮れのごとく落ち着きを持った照明のなか、ずらりと棚に並んだウイスキーの数々、真空管のアンプから響くJAZZのサウンド。20人近くはいるだろうか、グランドピアノが中心に置かれ、その前のカウンターテーブルが特等席。ゆったりお酒と共に談笑を楽しむ。お客さんたちの年齢層は若干高めのおじさまたちが中心。赤みがかった薄暗い照明、おちついた内装、そして流れる音楽はスタンダードナンバーが中心のジャズ。
 花金の今日は週に一回、JAZZの生演奏が聴ける日。今日の出演者は、アルトサックスの浅井良将さん、ピアノの志水愛さん、ウッドベースの時安吉宏さんというドラムスなしのトリオ。浅井さんはジャズ・サイト「Jazz Page」のインターネット投票で2012年サックス部門で一位を獲得されている。そして志水さんはこの若さにしてハードバップスタイルのピアノをゴリゴリ弾くつわもの。そして時安さんとくれば、時には珍奇な語りで場を沸かせながらも、いつも絶妙のビート を繰り出してフロントの演奏をサポートするベーシスト。このトリオならみんな聞きくるはず。いつしかお店は満員に。
 演奏はスタンダードナンバーが中心。ある時代に流行った流行歌が時代を経ても歌い継がれ、いつしか世代を超えて愛される曲になる、それがスタンダードナンバーのこと。
「音楽はメロディーとハーモニー、そしてリズムで構成されている。ジャズはそのメロディーだけを取っ払って、そこに即興でメロディーを乗せていく。同じコード進行と小節数という約束事を守りながら、即興でいかに自分ならではの演奏が展開できるか。それをハラハラドキドキしながら聞き入るのがジャズ。だから、ジャズはライブで楽しむのがベスト」と桑島先生は熱く語る。
 1ステージにつき4曲ぐらいだっただろうか、途中休憩をはさんで3ステージ。いつしか神戸の夜は更けていくのでありました。


Interview:「大好きなJAZZを仕事に」

グッドマン オーナー 高島秀実さん


 学生時代から音楽が大好き。ブラスバンド部でサックスやクラリネットをしていたという高島さん。もともはサラリーマンとして働いていたが、もっと自分の好きな方向で仕事をしたいと考えた。その結果、大好きなJAZZをお酒と共に楽しめるお店を、という思いでこのお店を始めたそうです。
 店内に置かれている2000枚以上のレコードは全て高島さんの私物。働き始めた頃からじっくりと集め、宝物と言っていいものだそうです。今も新しいJAZZのCDが出れば買いに行っているそうです。
「このお店そのものが人生といっていいと思います。敷居が高い店というイメージを持たれがちですが、もっと学生さんにも来てほしい。お酒でもソフトドリンクでも、飲み物1杯で気軽に良いJAZZが聴ける。そんな空間の提供をこれからも続けていきたいですね」


心までJAZZに浸れる空間

初めて神戸でJAZZのお店に入ったのですが、思っている以上に落ち着いた空間で、音楽を生で感じる楽しみを改めて知りました!やっぱり音へのこだわりがある空間にいると、音楽の強さを感じますね。バイト代とかで懐が豊かな日とか、いちど聞きに来てみるのも悪くないカモ。

演奏された曲はこんなのです!(すべてではありません) 

「ローラ」
1944年公開の映画「Laura」のためにデビッド・ラクシンが作曲した。この曲は映画共々大好評となり、テーマはすぐさまストリングス・オーケストラで演奏されるムード音楽の人気曲となった。

「アンソロポロジー」
1940年代にモダンジャズの巨匠、ディジー・ガレスピーとチャーリー・パーカーが作曲したとされているピ・パップの名曲で、セッションでもしばしば取り上げられる。アンソロポロジーとは人類学のこと。

「ゴーン・ウィズ・ザ・ウィンドウ」
アリー・ルベルによって1937年に作曲されたポピュラーソング。ビリー・ホリデー、エラ・フィッツジェラルドなど有名な女性ジャズヴォーカリストが唄っている。

「スウィート・アンド・ラブリー」
ガス・アーンハイムによって1931年に作曲された。モダンジャズの異彩ピアニスト、セロニアス・モンクの演奏が有名。

JAZZ BAR グッドマン

078-392-1253 
〒650-0012  神戸市中央区北長狭通1丁目9
*阪急三宮駅西口より徒歩2分(JR・阪神三宮駅より徒歩5分)
ライブチャージ 1,200 円より(ライブにより異なる)
チャージ500円
定休日:月曜 (祝前日は営業)
http://www.my-littletown.com/goodman/


取材:西村成也・桑島紳二